|   2005年1月23日(日) <第1023号>
 ■労働・経営■
 <バックナンバー>
 ○ 井上 充さん
 【61】タクシー運転手と請負
 【62】タクシー運転手という仕事
 【63】雇用情勢
 【64】高齢者雇用の取組み
 【65】NEET(ニート)
 【66】技能系社員登用制度
 【67】個人業務委託
 【68】労働形態の多様化
 【69】雇用対策の転換
 【70】採用の良否
 【71】派遣労働者の現状
 【72】新卒者内定状況
 【73】ICという働き方
 【74】某社人事担当者の悩み
 ※2005年1月24日(月)まで掲載を予定しています。
 
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 - 【75】営業マンの休憩時間 -
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 労働基準法第34条第1項は、使用者は労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩時間を、労働時間の途中に労働者に与えなければならないと定めています。
 
 さらに、同条第2項には、使用者は事業場ごとに、労働者に休憩時間を一斉に与えなければならないとあります。
 
 休憩時間一斉付与の原則の例外には、物品の販売などの法令によるものと労使協定によるものとがあります。
 
 また、休憩時間は、単なる作業休止時間ではなく、労働者が自由に利用できる時間でなければなりません。これを自由利用の原則と言います。
 
 午後10時から12時までの間の客の来ない時を見計らって適宜休憩をとってよいという契約は、客が来たら即座に仕事に取り掛からねばならないから、単に手待時間だという裁判例があります。
 
 また、店舗などで店員が客待ちをしている時間は、手待時間ではなく、現実に労働している時間とされています。
 
 では、訪問販売の営業マンが、客の要望により終業時刻後の面談時間を指定され、それまでの時間を喫茶店などでつぶす場合、この待ち時間は休憩時間となるのでしょうか。
 
 面談時間は当然労働時間であり、面談終了後の帰社に要する時間も原則として労働時間に含まれます。
 
 喫茶店での待ち時間は、自由に利用できるのだから休憩時間であると考えるのでしょうか。
 
 いやいや、業務に備える時間だから手待時間であると考えるべきでしょうか。
 
 この質問をされた時、生憎、手許には判例集がありませんでした。「自由利用できるのだから、休憩時間ですよ」とお答えしましたが、もし間違っていたらどうしようと、反省しています。
 
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