|   2005年1月3日(月) <第1003号>
 ■労働・経営■
 
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 - 【61】タクシー運転手と請負 -
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 タクシー運転手の業務委託が可能か否かを、労働者性の問題にしぼって検討します。
 
 ○ 仕事の依頼や業務従事の指示を断ることができるか。
 ○ 仕事を進める上で、具体的な内容や方法の指示はないか。
 ○ 進捗状況の報告義務や勤務時間の管理はないか。
 ○ 代わりの者に業務を行なわせることができるか。
 ○ 報酬が、時間・日・月を単位とする労務ではなく、業務の成果に関して支払われているか。
 
 上記5点に対する回答が、
 すべて「はい」である場合、使用従属性はなく業務委託型契約になると言えます。
 
 タクシー運転手の場合は、すべて「はい」ではないでしょうか。
 
 また、これだけでは判断がつかない限界事例については、
 「事業者性の有無」と「専属性の程度」をさらに加えて、総合的に判断します。
 
 すなわち、
 ○ 会社は機械、器具の負担をしていない。
 ○ 報酬は機械等を負担するため、他の一般社員よりも高い。
 ○ 報酬に生活給的な要素はない。
 ○ 他の会社の業務を行なってもよい。
 
 この4つに対する回答がすべて「はい」であった場合には、
 やはり使用従属性はなく業務委託型契約ということになります。
 
 おそらく、タクシー運転手の場合は、
 「他の会社の業務を行なってもよい」を除いてすべてが「はい」となるのではないでしょうか。
 
 実際には、個々の事情を斟酌して、個別に労働者性を判断しています。
 
 さらに、関連法規の検討および主務官庁の指導を仰ぐ必要もあります。
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