|   2004年4月6日(火) <第853号>
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 【最適設計】
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 <バックナンバー>
 【01】〜【29】
 【30】節税としての個人型DC
 【31】サービス残業
 【32】事前指定書
 【33】解雇に関する法改正
 【34】有期労働契約に関する改正
 【35】社会保険加入は調査後からという採決
 【36】65歳まで雇用義務づけ
 【37】暗黙知と形式知
 【38】労災保険料を安くする
 【39】年金に関する2つの誤解
 【40】非正社員と正社員
 【41】会計検査院の実地検査
 
 ■労働・経営■
 毎週火曜日は、社員や経営者の身の回りで起きている労働や経営の問題全般について社会保険労務士としてご活躍、また埼玉経営労務研究所代表でもある井上 充さんにコラムをお書きいただいています。
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 - 【42】役員の社会保険料を節約する -
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 経営不振に陥った中小法人において、経営者の配偶者である役員の報酬を引き下げる場合に、この配偶者を経営者の被扶養者にすることができないか。
 
 こういった相談を受けることがあります。
 
 配偶者の場合、生計維持関係があれば被扶養者となります。
 
 生計維持関係とは、その生計の基礎を被保険者に置くことをいいます。
 
 認定対象者が被保険者と同一の世帯の場合、認定対象者の年収が130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は180万円未満)、かつ、原則として被保険者の年収の2分の1未満であれば、生計維持関係があるとされています(昭52.4.6保発9号)。
 
 16歳以上60歳未満の者については、扶養されているかどうか(収入があるかどうか)を証明する書類(非課税証明書、在学証明書等)を提出しなければなりせん(昭27.6.23保文発3533号)。
 
 役員会の議事録において役員報酬を年130万円未満に引き下げた場合には、原則として被扶養者にすることができます。
 
 では、その配偶者に役員報酬以外に不動産収入があり、これを合算すると130万円以上となる場合どうでしょう。
 
 実務では、所轄社会保険事務所が総合的に判断すべきことになっています。
 
 役員報酬引下げの議事録だけで被扶養者にすることができる場合と、所得証明書を求められて不動産収入を含めて年収を判断され被扶養者にすることができない場合とがあります。後者が圧倒的に多くなっています。
 
 健康保険法において報酬とは、労働者が労働の対償として受けるすべてのものをいいます。
 
 保険料においても、保険給付においても、この報酬を基準に算定を行います。
 
 被扶養者の生計維持関係の認定においてだけ、報酬ではなく年収で行うのは合点が行きません。
 
 十分な収入があれば、扶養する必要はないという論理でしょうか。しかし、中小企業経営者の場合、債務の個人保証をしています、さらに、役員報酬を現実には受け取れないことも多くあります。額面ほど豊かではありません。
 
 今後、中小企業経営者の配偶者の被扶養者化が進むのではないかと思います。
 
 ● 「ナイス・ビジネス・パートナー」(NBP)
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