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2005年9月26日(月) <第1269号>

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                 - 【170】ゆとり教育と労働時間の削減 -
     ………………………………………………………………………………………
 大阪労働局の割増賃金の遡及是正支払件数等の推移を見ると、ここ数年で割増賃金支払額が急増しています。平成14年度の是正支払い件数が52件で、割増賃金支払額は約8億4,000万円。平成15年度には、102件と倍増し、割増賃金支払額は約4倍の約21億1,000万円になりました。そして、平成16年度では、件数に関しては横ばいなものの(98件)、割増賃金支払額は約1.8倍に増え、37億4,000万円でした。

 割増賃金支払額は、本来企業が従業員に支払うべきであった時間外勤務手当・休日出勤手当の未払い額の支払いを命じるものです。サービス残業は従業員にただ働きを強いるものであり、未払い残業代をさかのぼって是正するのは労働局として当然の指導でしょう。

 OECD(経済協力機構)の統計によると、1979年から1983年にかけてすべての国で平均労働時間が減少しました。ところが、1983年から1999年にかけてで比較すると、統計がわかっている16ヵ国のうち6ヵ国で、その16年間に平均労働時間が増加しているのです。(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどのアングロ・サクソン諸国、およびギリシアとスウェーデン)。

 この背景には、サッチャー革命やレーガノミックスによる政策の優先課題が完全雇用から国際競争力に変化したことがあります。製造業の統計を見ると、1980年代に平均労働時間は減少から増加に転じています。

 逆に、戦後驚異的な復興を遂げ繁栄を誇った日本とドイツは、1990年代半ばまで労働時間が減少しました。例えば、1950年のドイツ人はアメリカ人よりも年間380時間多く働いていました。しかし、1996年の労働時間をみると、ドイツ人はアメリカ人よりも447時間少ないのです。

 その結果、現在のドイツは景気停滞と失業に苦しんでいます。労働時間とドイツ経済は正の相関関係にあるといえます。働き者の国が栄え、怠け者の国は滅びるという簡単な道理がうかがえます。

 数学教育に力を入れたインドが21世紀のIT産業をリードする一方で、詰め込み教育からゆとり教育に転じた日本では、高校生の学習時間が先進国で1、2を競う短さとなり、ニート問題に苦悩しています。

 労働時間の削減が、企業の活力と日本の競争力を殺してしまわなければいいのですが。


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