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2009年7月18日(土) <第2215号>

               − Aとのコミュニケーションをデザインする −
 
09.外科医と患者
外科医K(1)
「Y先生からお聞きになっていないと思いますが、今日は大切なことをお伝えしようと思ってやってまいりました。」
患者A(1)
「ほう、大切なこと。一体なんでしょうかね。」

Kはぼそりと言う。
外科医K(2)
「Aさんの病気は胃癌です。」
Aさんの顔に笑顔が張りついたまま動かなくなった。
患者A(2)
「ば、ばかな。私は胃潰瘍だって、Y先生が・・・・・・。」

外科医K(3)
「それは本当の診断ではありません。この病院では癌患者本人にはたいてい、胃癌と説明して
手術をしているんです。」
KはAさんの顔を覗き込んで、続ける。
外科医K(4)
「当外科では患者に対して癌告知しない方針です。私だけは例外で、患者さんには真実を告げていますが、ね。」
Aさんの表情ががらりと変わる。
患者A(3)
「つまり私はダマされていた、という訳ですか? お前も知っていたのか?」

外科医K(5)
「奥さんを責めるのは間違いです。Aさんが癌になったのは誰が悪いのでもない。
そして現在の医療制度では、患者に癌告知するかどうかは医療従事者とご家族が相談して決めていい、ということになっています。患者であるAさんがとやかく言うことではないんです。」
患者A(4)
「私の身体ですよ、騙して手術するなんて、言語道断ではないですか?」
外科医K(6)
「おっしゃるとおりです。でも、実際の世の中はそうなっています。それを踏まえた上で、
真実を申し上げます。」

外科医K(7)
「どうして、他の医者が患者さんに癌であることを伝えずに嘘をつくのか。それは彼らが癌は治らない、と考えているからです。だが私はそうは考えていません。癌は治る、そう信じています。」

           − 明日(7/19)は『09.外科医と患者 患者A(5)』を掲載します −


<バックナンバー>
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01.事例
02.コンビニの店員の心をつかむ?
03.レストランで接客している女性
04.職場で具合の悪そうな部下を見つけた上司
05.「わかりません」と答える研修医A
06.不定愁訴(”愚痴外来”)
07.聴き遂げる
08.真摯に耳を傾ける
09.外科医と患者

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