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DRIVEN NEWS BACKNUMBER

2002年12月27日(金) <第387号>

┏━┓                 「ヒートレーン」(熱輸送)技術
┃■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛     中小企業が生き残りをかけた「オンリーワン」の技術に注目します。

                  < http://www.tsheatronics.co.jp/ >
            < http://www.tsheatronics.co.jp/technology/index.html >  
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆            ものづくり 〜 放熱・排熱対策は遅れている 〜
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東京都狛江市、小田急狛江駅改札口を出て左、線路高架下を新宿方面に向かい、狛江通りを越えていちょう通りを左側に歩くと日綜工業団地の看板が見えます。この看板を左に入ると、そこがティーエス ヒートロニクス(TSH)の本社です。

いま、熱設計者の間で注目されている「ヒートレーン」(熱輸送)技術。「ヒートレーン」のキーワードは"運ぶ"または"広げて運ぶ"です。
< http://www.tsheatronics.co.jp/technology/index.html >

その特許は、前身のアクトロニクス社時代の赤地久輝氏(現TSH顧問)が出願されました。いまその出願及び取得特許件数は192件に上っています。

TSH及び"運ぶ"または"広げて運ぶ"「ヒートレーン」について詳しく知りたい方は、営業グループの松本敏裕リーダーまでお問い合わせください。
< mike@tsheatronics.co.jp >または03-3430-4680で。

特集「熱設計」-- 放熱・排熱の傾向と対策 --に興味があるひとは、
毎週木曜日連載の↓「OPTWORKS DRIVEN NEWS」をお読みいただければ幸せです。
< http://www.optworks.co.jp/news_log/2002/1003_302.html >

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◆ティーエス ヒートロニクス 代表取締役社長・松本和幸様 
                 〜 2002.2.9.6 インタビュー 〜
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剌シ本社長(以下「松本」)
刄Iプティワークス(以下「オプティ」)

オプティ:「ヒートレーン」について共同研究などはされているのでしょうか。
松本:西尾茂文先生(東大・生産技術研究所)とは拘わりが深いです。起業して3年半、やっとある分野の商品開発の設計は計算どおりの値が出てきましたが、数値シミュレーションはまだ行っていません。

オプティ:多くの特許をお持ちですね。
松本:設立当時、赤地氏(TSH設立時は副社長。現顧問)から特許を買い取りました。いま16カ国で出願しています。

オプティ:「ヒートレーン」(熱輸送)という聞きなれない言葉ですが。
松本:ボーリング場のレーンを想定してください。(このように)レーンを開くと蛇行する溝が掘ってあります。学会には蛇行細管ヒートパイプまたは熱を貰うと自分で動くので自励振動ヒートパイプと、言っています。国内では一部で赤地パイプと呼ばれることもあります。

(松本社長はインタビューしている部屋のショーケースからアルミヒートレーンプレートとその加工製品を持ち出しました。)

このコア技術をユーザに使って貰い、それが組み込まれた製品の機能が向上し、コストダウンも計れるなど夢のあるビジネスができます。

例えば、ステンレススチールと組み合わせると銅の1/15の熱運動、5倍の熱量をもつステンレススチールに変わります。

オプティ:「ヒートレーン」のカスタマーはどの分野でしょうか。
松本:熱(源)をもっているものはすべて対象になります。当面はIT関連、パワー半導体関連にターゲットを絞ります。面白いのは照明関係ですね。

残念ながら、いまは試作レベルの話が多いです。しかしながら、売り上げから見ると量産レベルと同じ比率にありますし、今年度末には8割は量産が占めると予想しています。

オプティ:試作のお話も多いと聞いていますが。 
松本:いま20数社とNDA(守秘義務)を結んでいます。初めてお付き合いする企業や開発段階からお取引する企業では情報開示が必要になります。こちらは試作に止まらず、早い時期に量産(製品)化まで漕ぎつきたいですね。

オプティ:航空宇宙や防衛関係の企業からも引き合いがあるのではないですか。
松本:当社の技術は、取付姿勢による熱輸送能力が変わらないので多くの引き合いを頂戴しています。以前からNASDA(宇宙開発事業団)とは共同研究をしていますし、試作品も納めさせていただいています。実名は出せませんが、この分野の大手民間企業とはお付き合いしています。

オプティ:具体的に「ヒートレーン」の認知度をあげるためにどのようなマーケティングをされていますか。
松本:ホームページの立ち上げ、「CPU Radiator Zen」(CPUクーラ)のネット販売も始めました。

今後は、お問い合わせについて受注に結びつく情報が得られるような仕掛けを作りたいと考えています。

オプティ:「ヒートレーン」技術で競合するところはありますか。
松本:基本特許は押さえていますので同じ技術では対抗できないと思います。別の方法で似た製品がでてくる可能性はあります。

当社の「ヒートレーン」技術は、姿勢による性能(熱輸送能力)差が少ない、対内面積熱移送量がヒートパイプより一桁上(但し、ヒートパイプよりは速く伝わらない)など特長を持っています。

「ヒートレーン」のキーワードは"運ぶ"または"広げて運ぶ"です。従って、大きな発熱体を持っている、パワー半導体関係、例えば、大容量のIGBTなどの分野でTHSの出番が増えると思います。

オプティ:一般の設計者が「ヒートレーン」に触れる機会がありますか。
松本:「熱対策技術」(毎年4月中旬開催)には出展しています。併設するシンポジュームでは新しい技術を発表しています。その他新聞、雑誌(日経エレクトロニクス 8月26日号 P158〜159掲載記事あり)には記事が出ています。それとホームページにアクセスしていただくとTHSの「熱制御技術」について紹介しています。

最終的には「ペルチェ素子」など他の熱関連製品との組み合わせで熱を制御(吸熱・放熱・排熱)することになると思います。

オプティ:本日は、お忙しい中、インタビューにお答えいただき、有難うございました。
松本:こちらこそ、外は雨で足元が悪いなか、弊社へお出でいただき、お礼申し上げます。

○インタビューを終えて
サラリーマン社長のご苦労と意気込みを強く感じました。

ティーエス ヒートロニクス(THS)の松本和幸社長は、親会社である帝人製機の取締役を兼務されています。THSは、帝人製機の国内外関連会社21社の戦略子会社として1999年2月に設立されました。今年で設立4年に入ります。

「あまり数字のプレッシャは感じないタイプです。」(松本社長)しかし、「常に親会社からは結果(売上達成)が求められている。」と笑ってインタビューに答えていただきました。

実はインタビューの後半で「いずれは親会社へ戻られるのだから"腰掛け"では」と大変失礼な質問をしましたところ、穏やかな口調で「帝人製機には出向を解いてくれと言って社長に就任しました。畑違い(帝人製機時代には、精密減速機の技術部長、そして油圧機器の工場長を経験)の私を戦略子会社のトップにする親会社も変わっているが、何かやりがいみたいな気持ちを感じました。でも、いまだに営業は馴れません(笑い)。」

「ヒートレーン」(熱輸送)技術の歴史はここ3年とまだ日が浅く、今後、「ヒートレーン」という新しくて実証が難解なテクノロジーをわかりやすくユーザに理解してもらうためには、いまの試作品レベルから量産製品レベルへの組み込みがどれだけできるか、THSの力量がいま問われています。

私は、インタビュー中、何度も松本社長が「手遅れ(熱が暴動して機械が誤動作する)前に、声をかけてほしい。」といわれていたのが印象的でした。

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  『ヒートレーン』   きっと見つかる必要な情報    
━━━━━━━━━
●【インタビューから】
「西尾茂文先生(東大・生産技術研究所)」
< http://e-rescue.jipm.or.jp/kh1111a.html >
「パワー半導体」
< http://www.nikkei4946.com/today/0208/10.html >
< http://www.hitachi.co.jp/Div/ise/pdevice/main-j.htm >
< http://www.fujielectric.co.jp/company/profile/denshi-power.html >
「熱制御」
< http://giken.tksc.nasda.go.jp/seika/gaiyou/H11/27files/ >
「CPU Radiator Zen」
< http://www.tsheatronics.co.jp/zen/index.html >

●【気になる狛江市にある会社・組織】
「電中研ニュース」
< http://criepi.denken.or.jp/jpn/PR/menu.html >
「Most Convenient Company」
< http://www.toyama-jp.com/company/sougyo.htm >
「地酒」
< http://www2s.biglobe.ne.jp/~kagoya/jisakenokai.htm >

●【ユーザ事例】
「ノート型パソコン」
< http://www.vaio.sony.co.jp/Enjoy/Inside/R505/r01.html >
「エアコン」
< http://www.optworks.co.jp/news_log/2001/0910_25.html >
< http://www.optworks.co.jp/news_log/2002/0117_96.html >

●【熱流体解析ソフトウェア】
「FLDesigner」
< http://www.ifpj.com/FLDesigner.html >
「FLScope」
< http://www.ifpj.com/visualization.html >
「COSMOS/FloWorks」
< http://www3.kke.co.jp/sbd/products/cfw/00.htm >

●熱関連製品
「ヒートシンク」
< http://www.national.com/JPN/company/pressroom/webench3/factwebtherm.html >
「放熱シート」
< http://www.maco.panasonic.co.jp/ad/fd/a3j.html >
「ペルチェ素子」
< http://www.mune.com/pel1.htm >
「その他」
< http://www.kobelco.co.jp/column/topics-j/messages/144.html >
< http://www.zdnet.co.jp/news/0203/14/hitachi_water.html >
< http://www.gpc.pref.gifu.jp/infomag/asukei/208/energy.htm >

●【ティーエス ヒートロニクスの競合他社か】
「古河電気工業」
< http://www.furukawa.co.jp/ELC/hpipe.htm >
「前川製作所」
< http://www.mycomj.co.jp/index.html >
「アルファ」
< http://www.micforg.co.jp/jp/c_ref2.html >

●【新聞・雑誌】
「半導体産業新聞」
< http://www.semicon-news.co.jp/ >

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